【書評】医と知の航海
ご無沙汰しておりました。
研修医としてオリエンテーションを終え、病棟にようやくあがれました。
初めは産婦人科ローテからです。
オリエンテーションという軟禁生活からの解放に加えて、
コウノトリの再放送もあってモチベーションは完ぺきに保てております。笑
コロナの影響で学会が中止になったり、
病院でもカンファ・オペなど制限されている状況ではありますが、
そんな不遇の時代でも研修医として最大限の学びを心がけていきたいものです。
さて、今回は「医と知の航海」
もちろんまだ皆さん持ってますよね(?笑)
永井学長監修であり
学長をはじめ大学時代の懐かしい先生方が制作に加わっています。
哲学、心理学、倫理、社会学、コミュニケーション、、などなどそれぞれの専門分野をベースに心惹かれる話をしてくださいます。
当然顔も知っている先生方の書かれた本であり、当時の講義が懐かしく思い出されるとともに、
「なぜあの時もっとまじめに講義を聞かなかったのだろうか」と悔やんでしまいます。
。。そんな面白い話ばかりの本でした。
一つ最も印象に残った部分を。
「哲学」の章にて。先生がだれかはもうわかりますよね。
そこでは、今までの人生の中で『忘れられないコトバ』を想起するように求められます。皆さんもやってみてください。
小説でも、出会った人のコトバでも、映画の中のコトバでも。
そのコトバを聞いたシーンを鮮明に思い出せますか?なぜその言葉が記憶に残っているを思います?その言葉の意味は時を経るごとに変化していますか?
このコトバが5つ以下であるのなら、薄っぺらい人間認定をされてしまいます。笑
(私はぺらっぺらでした。笑)
先生は人の素養や教養の質はこの『忘れられないコトバ』の数で決まってくると考えているようです。なるほどなと思ってしまいました。
覚えようともしていないのに勝手に記憶に残るコトバこそ、
その人を形作るもので
そんなコトバとの出会いが人生に影響する。
『覚えようとして努力した知識や言葉には、人間を形成する力はない』
なぜか私には非常に響いて、これこそ『忘れられないコトバ』になるものでした。
教養とは決して記憶しようと必死になって手に入れるものではない
読書、人、との関わりの中多くのコトバと出会う過程で『間接的』に形成されるものだと。
最後に先生は。
『本を読め!夥しく!浴びるように!』的なノリで来ます。笑
1年間に100冊の読書量をできないようでは趣味に読書などと言っていけないと。
(ヒトツキ10冊かよ、、、)と思いましたが、やはりあくまで努力冊数の例だとおもいますので、そのくらいの気概を持って。笑
医学を6年間学んで、低学年で学んできた知識がだんだんとネットワーク形成されていく、あの感じ、ワクワク面白いですよね。
医学だけでなく、歴史、社会、自然、宗教、音楽等、あらゆる世界を体系的につなげて考えることができればなんと楽しいか。。。
生きているうちに、あのワクワクを何度でも感じてみたいですね。